製造業に就活したいけど業務内容が分からない
全く違う業種に興味があるけど、ちゃんと働けるか自信がない
そのように考えておられる方は多いのではないでしょうか
今回はそんな方のために大学院卒業後、4年間製造業の生産技術部として
働いている筆者の働き方について実際に記載したいと思います
本記事のおすすめ読者
・就活生、転職者
・製造業に興味がある方
・実際に設備導入に携わっている方
筆者のプロフィール
・4年大学、2年大学院卒業
・大学では化学を専攻、試薬製作およびその評価を実施してました
・当社一般入社(推薦使用せず)
・入社以来ずっと現在の部署にて勤務
部署の説明と業務内容
・製品を加工する設備の導入作業が主要業務となります
(他にも製品の不良率低減業務や設備停止時間低減業務等あります)
設備を導入する業務フローは大きく分けると以下のようになります
①企画、予算の検討
ここでいう企画とは1からどんな設備を導入するのかを考えるわけではなく
営業が取得してきたお客様の希望製品図を、当社にて作れるか検討することです
また、社内設備が利用できる場合はそのように見積回答しますが
利用できない場合は新規設備の導入を見積の中に記載します
今回は新規設備を導入する場合のパターンで記載しております
新規設備を導入する際も、1から設備メーカーを探すのではなく
過去導入実績のあるメーカーから検討するのが基本となります
対象製品が製作でき、過去の設備のトラブル等の対策を織り込んだ仕様にて
相見積もりを実施し、価格面と技術面で最も良いメーカーを選定します
予算の検討には1カ月程度の猶予が与えられます
かつかつの予算を組んだ場合、トラブルが起こった際に対応できなくなるので
多めに見積もるのが肝となります
②設備レイアウト検討
①にて予算が決まり、お客さんとの合意後は設備レイアウト検討に移ります
適切な設備配置を決めるには、
・既存設備の干渉がないか
・将来別設備を配置した際に連動した動きが出来るか
・作業者が無理なく動くことが出来るか
・分電盤や配線の位置
等を踏まえて検討します
また、導入する設備をどのルートから搬入するかなども考慮する必要があるため、
上司に確認しながら抜け漏れがないかを確認しながらレイアウト配置を行います
③設備仕様検討、発注
ここでは製品を問題なく製造できる設備導入が出来るか検討します
例えば材料を設備に投入する際の姿勢や、製品を加工する際の治具
加工後の製品の取り出し方法といった製造に関することや
もし、人が設備内に入ろうとした際の安全対策および
誤って別の製品を投入してしまった際の判別対策など
安全品質に関る対策をも織り込む必要があります
更に仕様をメーカーに提示した後も
実際に問題なく製品が加工できるか、各設備メーカーにてトライをします
そこで問題なく加工できかつ最も安価で提供できる設備メーカーに発注を行います
④設備導入検査
設備を導入するにあたり導入前検査及び社内に運ばれた後の検査を行います
検査は設備導入前後チェックリストが社内にてあるのでそれに基づき実施します
メーカーにて設備が製作した後に実物を見てみると、課題が出てくるものです
例えば実際に加工した製品を設備が掴めないだとか加工中の音がうるさい、、等
設備を社内に導入した後もトライ中製品寸法がでないなどの課題が発生します
そうした課題に対して設備メーカーと対処方法を考えて一つ一つ対策します
⑤社内評価
実際に製品を連続で加工して問題なく製造できるかどうかを確認します
実際に流れ作業をすることで、製品の寸法が徐々に変化することがないか
作業者が問題なく動けるかなどを確認します
全ての不具合を対策し問題がない場合、お金を設備メーカーに払うことになります
製造業に向いている人、向いてない人
向いている人
・細かいことを一つ一つ確認しながら確実にステップを進められる人
・コミュニケーションが取れる人
まず設備導入に伴う知識は社内に入ってから学ぶことの方が圧倒的に多いです
また、私のように化学を専攻していた場合に比べ
機械系分野を専攻していた者の方が圧倒的に初期知識が多いと感じました
(私の場合レンチが何か知らなかったです)
しかしだからこそ都度、上司に確認する頻度を増やし少しずつ知識を付けることで
問題なく対応できる場が増えています
向いていない人
・優しすぎる人
何もわからないといって、指示を待っているタイプの方は難しいかもしれません
特に設備導入に関しては頻繁に報連相を実施する必要があり、更に納期もあります
立ち止まって考え込んでしまう人は仕事もためてしまう傾向にあるように思います
分かる範囲まで調べて、素早く確認する方が理解も深まるし、指導も丁寧でした。
(というより全く分からない状態で質問しても門前払いされます)
終わりに
製造業では膨大な業務を高い質で求められるということを日々痛感しております
しかし、経験を積むと思う通りの進め方で進めやすくなるように見受けられます
分からない分野だと敬遠しすぎるのではなく挑戦してみてください